【アートメイクとは?】メリットと注意点
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アートメイクとは、皮膚の薄い表層に専用のニードル等でインクを入れ、着色する美容医療です。
直接皮膚に色を注入するため、汗や水でも落ちないので一定期間、手軽に維持できます。
主に女性が施術を希望することが多いですが、近年は眉アートを筆頭に男性の間でも施術する人が出てきています。
目次
アートメイクとは

アートメイクとタトゥーの違い
アートメイクはインクを皮膚に入れるので刺青やタトゥーに似ています。しかし、両者には違いがあります。
アートメイクは、皮膚にインクが永久に残るわけではなく、一定期間で徐々に消えていきます。
使用されるニードルの太さやインクを入れる皮膚の深さ、そしてインクの種類も違います。タトゥーのインクは多くの金属が含まれていてMRI検査で強い磁力に反応してしまったりします。
アートメイクで使用されるインクは金属がかなり少ないか一切含まれていません。医療行為として行われるため、人体に害のない品質基準を満たすものだけが使われるのです。
永久的に残るものではないので、トレンドや好みの変化によって色やデザインなどを変えられるのがアートメイクの特徴です。
アートメイクは医療行為
アートメイクは2005年から医療行為として厚生労働省に認定されました。
それまではさまざまなエステやサロンでアートメイクが施術されていましたが、トラブルが多かったこともあり医療従事者の国家資格を持つ人のみに限定されることとなりました。
アートメイクが行えるのは、以下の人たちです。
- 医師
- 看護師・准看護師
- 歯科医(唇のみ)
アートメイクを医療行為にしている国は日本・韓国・中国の3カ国のみで、他の国ではタトゥーと同じパーマネントメイクアップの扱いになっています。
なので海外旅行ついでに安く済ませようと考える人も多いですが、海外では美的感覚や基準が異なることもあり、施術トラブルになるリスクも高く、お勧めはできません。
国内では無資格者の施術は違法になるので、施術を受ける際はアートメイク専門クリニックやアートメイクを実施している医療機関に相談しましょう。
アートメイクの持続期間
アートメイクは1年から3年を目安に持続します。
持続期間には、以下のことが影響を与えます。
- 施術者の技術
- 施術する部位
- 肌質やターンオーバー
- ライフスタイル
アートメイクの施術方法
アートメイクは主に2種類の施術方法があります。
・手彫り
ペン型の針で手動で書いていく方法です。細かい調整がきき、丁寧に少しずつ色を入れるのでナチュラルで美しい仕上がりになります。メニュー名は3D・4Dと表記されていることが多いです。
・機械彫り
専用のマシンを使って針で色を入れる方法です。最近の機械は性能が進化したので自然な仕上がりも可能になってきています。素顔に馴染ませるデザインより、メイクをしたような眉が好みの人に向いています。こちらのメニュー名は2D・パウダー眉と表記されていることが多いです。
アートメイクを行える部位
アートメイクは眉毛だけでなく、唇やほくろ、アイラインなども行うことができます。
アートメイクといえば眉毛というイメージがあるほど眉アートは人気の部位です。昔は技術不足等もあり、のっぺりした眉毛になってしまうこともありましたが、近年は手彫りのアートメイクも出現したので自然な眉毛に近い仕上がりになってきました。
- 眉毛
- 唇
- ほくろ
- 髪の生え際
- アイライン
以上がアートメイクを行える部位です。
唇はアートメイクで理想の色や形に近づけることができます。
ほくろは、目元や口もとに入れるパターンが多いです。
髪の生え際は、眉毛同様に毛を書き足すものです。額の広さや頭頂部の薄さが気になってきた人や、小顔に見えるようにする効果もあります。
アイラインはまつ毛の生え際にアイライナーのように線を入れるものです。
アートメイクのメリット・デメリット

アートメイクにはさまざまなメリットとデメリットがあります。
アートメイクのメリット
アートメイクの最大のメリットは、毎日のメイク時間の短縮です。ジムで汗をかいたり、温泉に入ってもメイクを直す必要もなくなるので、メイクをする男性や、女性にとってはかなりのメリットになるでしょう。
また、メイクに自信がない人でもいつでも理想の眉を維持できれば、自分に自信が持てるようになることもメリットです。
アートメイクのデメリット
アートメイクをすると、1年から3年は消えません。もし仕上がりに満足できなかったり、デザインを変えたいと思っても簡単に消したり修正したりすることはできないことはデメリットでしょう。
施術前に十分にカウンセリングを受けて、納得して施術を受けることが大切です。
施術も一回ではおわらず、2回で1セットとなっていることがほとんどです。1回ではムラができることも多く、人によってはインクが定着しづらく、3回受けないといけない人もいます。施術の間隔は1ヶ月程度あけてになります。
ダウンタイムもあり、施術後1週間はダウンタイムのケアをする必要があります。施術部位を清潔に保ち、十分な保湿をして触ったり擦ったりなどの摩擦をさけ、紫外線を避ける必要があります。施術部位のメイクやクレンジングを使った洗顔も控えます。また1ヶ月はボトックスなどの美容治療、ビタミンA製剤で皮向けが伴うものは避け、眉ブリーチや眉ティントも控えます。
アートメイク後のMRI
アートメイクをすると、MRIを受けられない場合があります。アートメイクをする際には微量の金属が含まれたインクを使用するケースがあり、そうするとMRIに反応してピリピリしたり火傷したりする場合があるためです。
医師にはアートメイクをしていることをしっかり伝えることと、アートメイクを受ける前にもMRIを受けても大丈夫かを確認しておきましょう。
眉アート/失敗例とその対策

アートメイクには、失敗する可能性もあります。失敗例とその対策について紹介します。
眉毛が左右非対称になる
デザイン面での失敗は、眉が左右非対称になるパターン。
左右対称の眉毛になるように専用の定規で線を引いているクリニックもありますが、顔の筋肉のクセによって眉毛が左右非対称になることがあります。そのあたりも計算して左右対称に見えるようにデザインする技術が必要になります。
眉毛の角度・太さのイメージが違う
左右非対称の他にも、眉毛の角度や太さのイメージが合わないこともあります。
原因は、カウンセリング時に希望のイメージをしっかり共有できていなかった可能性が考えられます。カウンセリングの時に自分の理想となるイメージの眉毛の画像を用意するなどし、眉毛のデザインをしっかり伝えることが大事です。
そもそも、眉アートをするときは普段通りのメイクをしていくのがおすすめです。そうすればどんな眉毛にしたいのかが施術者にも伝わりやすいでしょう。
眉毛が濃すぎた
眉アートの施術後は色が濃く感じます。数日経つと色が落ち着いてくるので安心してください。通常は、1回目の施術で短めで細い土台となるデザインで施術し、2回目で完成形になります。クリニックによっては1回目からしっかり入れるところもあるので、事前偽術方針を確認しましょう。
眉毛が変色した
一般的に、眉メイクの施術後1年から2年経つと変色する可能性があります。変色する主な原因は紫外線です。特にアートメイク実施から2週間は日傘や帽子等で紫外線をカットするように心がけましょう。
また、注入する色素によって変色しやすかったり、仕上がりにも大きな影響があります。アメリカのFDA、もしくはヨーロッパの安全規格(CE)の認可が下りている色素がおすすめなので、事前にクリニックで使用する色素の種類を確認するようにしてください。
ちなみに眉アートが変色した場合は医療資格を有しているクリニックでのリタッチができます。
海苔みたいな眉毛になった
海苔のようにベタッとした立体感のない眉毛になってしまうこともあります。特になりやすいのが、一昔前のアートメイク技法を採用している場合です。
最近はストロークという技術で極細の医療針を使って毛並みを表現したり、医療マシンも進化していて本物の眉毛のように見えるデザインになってきています。施術前にしっかりと確認しましょう。
すぐに消えた
初めてアートメイクをすると、色が定着せずに消えてしまうことがあります。むしろ、1回の施術では定着する確率は30%です。そもそも、注入された色素は体にとってただの異物です。なので通常2回の施術となっています。
1回目でどれくらいの定着具合なのかも見ているので、やはり2回の施術が行われるクリニックがおすすめでしょう。
ちなみに、1回目の施術から1ヶ月半以上空けて2回目が実施されるので、眉アートの完成には結構時間がかかります。何か特別な行事のために眉メイクしたい人は特に時間に余裕を持って検討すると良いでしょう。
感染症にかかった
不衛生なクリニックで施術を受けたり、間違ったアフターケアによって感染症にかかる可能性があります。医療針での施術は皮膚に細かい傷をつけることになります。その傷から細菌が入って化膿したり、感染症が引き起こされます。
感染症にかからないように、必ずしっかりとしたクリニックで施術を受けるようにしましょう。
また、施術後に施術部位にかさぶたができます。それを剥がしたりするとそこから感染症になることもあります。かゆみを感じるかもしれませんがなるべく触ってはいけません。クリニックに従って、施術部位を清潔に保ったり施術箇所に軟膏を塗ったりして正しいアフターケアをすることが大事です。
傷跡が残った
技術力不足だったり経験不足の施術によって傷口が残る可能性もあります。
本来は真皮層の一番浅い層までしか医療針を入れることはありません。でも技術不足によって真皮層の奥まで針が入ってしまうと傷が残ってしまう可能可能性があります。しっかりと施術するクリニックを検討するようにしましょう。
まとめ/アートメイク

アートメイクは体に針を使って色素を注入する行為です。
メイクをする手間がなくなって、朝の支度も楽になり、温泉などに入っても化粧直しする心配もなくなったりととても楽です。
しかしデザインが失敗する可能性もありますし、一度施術したら簡単には消せません。失敗してデザインを消したい場合は専用の除去施術が必要になり、それにはリスクが伴います。レーザーで除去した場合は脱毛効果が出て将来眉毛が生えにくくなるケースがあったりもします。
普段メイクする人にとってはメリットも多くあると思いますが、今回紹介したように失敗を含めた様々なリスクがあるので、慎重に検討するようにしましょう。
また、眉周りのムダ毛が多い人や眉毛が濃い人にとってはあまりメリットはないと言えるでしょう。アートメイクをしてもムダ毛が生えてくるので定期的な処理が必要になります。眉アートは眉毛が何らかの理由でかなり薄くなってしまったり生えてこなくなって困っている人にとって多くのメリットがあるでしょう。
眉毛が普通に生えてくる人は眉毛サロンでワックス脱毛を用いた施術を受けることをおすすめします。